5th September 2011

Quote reblogged from clione clitiques

観察学習は単なる模倣とは違う。というのは観察学習の営みには、第1に原理原則(ルール)の学習を伴う。第2に生身の人間だけでなく「物語」から学習することもできる。

 まず第1の点に関して、明示的にルールを述べている場合に生じる観察学習は、「参照モデリング」と呼ばれる。特に、ルールがうまく簡潔に覚えやすい言葉(要約ラベル)に結晶化している場合には、人は行動による見本(モデルとなる反応様式)だけでなく、その言葉も参照しながら観察学習していく。たとえば調理師学校では、ダシの取り方の機微を「ひと煮立ち」という言葉(要約ラベル)とともに、講師の行動を真似て習得する。

 第2の物語による学習に関して、神戸大学の金井壽宏教授が「経営における理念(原理・原則)、経験、物語、議論」『経営学・会計学・商学研究年報』43で詳しく検討している。それによれば社内の歴史上の出来事や人物についての語り伝え、伝説、神話に関わる物語はそれ自体が観察学習の対象となる。

 原理・原則と物語を結びつけることは、社是・社訓といった組織体の理念の浸透と学習を促す。というのは、例えば「お客さま第一」という理念それ自体は言葉にすぎない。抽象的な理念からいきなり具体的な行動が導かれるわけではない。やはり直接の観察対象となる、あるいは語り継がれることにより、間接的に見聞きする他の人の具体的な経験や行動に触れなければ、どうふるまってよいか分からないことが多いのである。

Source: diamond.jp